Lahの部屋

落書き帳です。見たい人は見てください。

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

超越論的「解明」の気持ち

超越論的現象学において、「解明された」という言い回しに違和感を覚えることがよくある。現象学用語や特別な名辞を用いて出来事を記述したときに、しばしばこの言い方がされる。まあそんなもんだろうと場当たり的に済ませていたが、常にもやもやしていた。…

【化学】化学結合論の本質(part 2)

前回のあらすじ 化学結合の主役は電子の波だ。しかし、電子を語るにはシュレディンガー方程式を避けては通れないのだった…。 三次元極座標 前回のシュレディンガー方程式の一般解をお伝えする前に、三次元極座標の説明をする必要があった。よく使われる三次…

【化学】「原子軌道の図」の謎

下のようなものが、しばしば原子軌道(電子軌道)の図として描かれる。化学科大学生は「これが軌道の図ですよ〜」と教わっているのではないだろうか。 これは一体何なのだ?というのが本記事の問題意識である。 概要 まずはじめに。これは波動関数の表示では…

原構造という不可解なもの

最近フッサール現象学の書籍を読んでいるんだけど、そこで「原構造」という概念に違和感を覚えた。それは超越論的還元をしていく段階で、ノエシスに「あらかじめ」仕込まれている地平のようなもの。我々が把持や現印象からノエマとしての時間をスムーズに構…

【化学】化学結合論の本質(part 1)

はじめに 原子内での電子の在り方 微分方程式 シュレディンガー方程式 はじめに この記事では、化学結合がどういうものであるかを解説する。なぜ結合するのか、なぜ結合が切れるのか、というあたりに焦点を置きたい。一般に出回っている同様の記事には、正確…

記述することのジレンマ

今の自分の考え方の記述をしようと思ったことが何度もある。何年か経ってから読み返すことで、自分の思考方法がどのように変化したかを確認して楽しむためにだ。しかし僕の経験上、この試みはなかなか深いレベルでは成功しない。そして近頃、そういう試みは…